2017.2.25 ディファ有明で行われた「菊田裕樹のワークショップ」

運営担当のARAです。
今回、私どもの主催する「DTMer meeting」の企画CD「オレが考えたフィールド曲」を
題材として、菊田裕樹氏がレクチャーするという形で実現したワークショップ。
当日、想定以上の方々に参加いただきまして、ありがとうございました。
本当に、本当に想定以上だったんです。ですので、体育座りなどを余儀なくされました。
その体育座りも…、まぁ、あの雰囲気に合っていた気もしますが…

楽曲参加23名。楽曲数27曲。とてもとてもすべてをレクチャーする時間はありません。
ですので、抜粋した楽曲でレクチャーが行われました。

ラスボスが、ラスボス級の仲間を呼んだ

メインパネリストは菊田裕樹氏。補佐として伊藤翼氏と、実は当日にパネリストとして前に座ることになった彦坂恭人氏。
彦坂さんは…本当に何をするのか聞かされずに呼ばれ、趣旨もわからないままの参加となりましたが、紹介などがまともにできなかったことが悔やまれます。

菊田さんは、ご存知の方も多いと思います。というか、知らない人があの会場にいるわけもない、日本で有数のゲームミュージッククリエーターであり、ゲームプランナーでもあります。

伊藤さんは、アニメの劇判や声優ソング、アニメソングなど多数手がける「今時のプロ」です。私よりも遥かに若く…、菊田さんと比較すると、親と子ほどの差もあります。

彦坂さんは、数々の音楽理論書などを手掛けている、音楽理論のスペシャリストです。

万全の3人態勢。ラスボスが仲間を呼んだ感じです。
楽曲参加者は、ただでさえ太刀打ちできないラスボスが仲間まで呼んだことに、恐怖を隠せません。「絶対に勝てない戦い」がはじまります。

DTMやってるヤツはみんなドМだからさ

70名を超えた参加人数。神々に戦いを挑む我々の曲を聞くところから始まります。
櫻木咲子さん「荒野を駆けて」からはじまり…、最後菊田さん本人指名でわたくしARAの曲も流しましたが(三年分くらい冷や汗をかきました)。
菊田さんといえば、本人がなんと言おうと、私にしては「神々の一人」です。
その方に曲を聞かせる、ということは、ゲームから音楽の道に進んだ私にとって、何よりも緊張するのです。

楽曲参加者との会話では、このレクチャーの事を「公開処刑」と呼んでいました(笑)
それほどの緊張感が、楽曲参加者にはあったのです。

菊田さんがまず口にしたのは、意外な言葉でした。
「プロとアマの差が無くなってきている」

楽曲参加者のほとんどはアマチュアです。プロ側から「差が無くなってきている」という発言があったのは、アマ側には大変嬉しい賛辞です。
その中でも、特に今回テクニカルな曲が多く、特に印象的なのはジンジャーさんの「Little World」でした。

菊田さん曰く「オレに似てるねえ」

どよめきが起こります。

このレクチャーにおいて、「良いところと、あえていうなら悪いところ」を指摘するという内容でしたが、確かに悪いところを探すのが大変なイメージはありました。
褒められた。褒められました。
むしろ、冷や汗がとまりません。DTMerはみんなドМです。叩かれる事には慣れていても、褒められることには、まったく免疫が無いのです。妙な緊張感。温かい拍手。
楽曲参加者はみんな、笑顔が引きつっていました。

「はい、終了です」

多種多様な攻勢で「神に戦いを挑んだ」今回。重要な位置にいるのが「チップチューン勢」。今回、6人ものチップチューン勢が健闘してくれています。
その中での代表格に座すのがハイデンさん。実機に拘り抜いたチップチューン界隈の雄。
曲が流れた途端に、スクリーンに映し出されたのは「MML」
大きな拍手が起こります。
パネリストの三人も大ウケ。

司会「どうですかこれ」
菊田「はい、終了です」

一番おいしいところを持っていったハイデンさんでした。

大事なのは、人の心をどうしたいのか

DTMをやっていると、話題は機材やソフトウェアの事になりがちですが、今回菊田さんが口にしたのは、音楽として至極当たり前な事であり、そして「真髄」でした。

音楽は、人の心をどうしたいのか、ということ。

プロが作る曲は意外とやってることはシンプルで、その中でどう人の心を動かしたいか、を考える。複雑なことをやれば、印象が薄くなる。シンプル過ぎれば、飽きられる。
その中で人の心をどうしたいのか、そのために何が出来るか、を見極める、という事。

私には「誰に向けて作っているか」が、プロとアマの決定的な違いのように聞こえました。
聞く人に喜んでもらえるために、何をするべきか。それを第一に考えるのがプロ。

アマの良さももちろんあります。それは、「自分が喜ぶために作る」ということ。
やりたい事を全て盛り込む魅力。それも音楽の一つの形には違いありません。

プロとアマの懸け橋

アマがプロに挑んだ形となった今回のワークショップは、プロとアマの「対話」が一番価値があったのかな、と思います。
プロがどんなことを考えて日々音楽を作っているか。それを聞けたことが、一番良かったなーと。
楽曲参加者は、イベント後の打ち上げで夜遅くまで、「音楽とはどうあるべきか」という話で盛り上がっていました。もう次は何をするのか、という話もしていて、テンションとモチベーションが上がったようで、運営を担当した私にとっては、それが最も嬉しかった。

オレが考えた宿に一泊

次は「オレが考えた宿に一泊」です。
最長8秒制限。いわゆるMEです。
4月29日(M3前日)には、これに伴うワークショップも行う予定です。

プロ・アマ問わず、大勢の方々の参加をお待ちしております。
(エントリーは3月15日~3月31日。データ提出期限は4月15日です)

最後に、菊田裕樹氏、伊藤翼氏、彦坂恭人氏に感謝申し上げます。

DTMer meeting 主催 荒 芳樹(ARA)