DTMer meeting 3 レポート


秋葉原…、とは言えない外れた場所で開催された今回のDTMer meeting3。
沢山の方々に参加いただきました。


DTMの事を語り合う、というコンセプトではじまったDTMer meetingですが、今回から新たな企画「オレが考えたほこらの曲」を始めました。
これが予想以上の反響でした。M3のために用意してきたCDは全て完売し、肝心の会場での在庫がゼロでした。

音楽に順位を付けることは愚かであり、無理な事は百も承知で、「一位を決定する」ということにした今回の企画は、結論から言うと、「スーパーファミコンって凄い」という事でした。

作曲家・菊田裕樹さんにも参加いただいた今回の座談会は、計11人が作った「オレが考えたほこらの曲」を聞き比べ、最優秀楽曲に賞品を出そう、というものでした。
その優秀曲選出には、イベント参加者全員による投票が行われ、みんなで決める、という手法でした。

長年同人音楽活動を続けている者、プロのクリエーター、学生、など様々な経歴の持ち主が参加した今回の企画で、最も優秀だったのはsironeさん。
北海道の方で、会場にはおいでにならなかった方です。

楽曲参加者の中からは、「ほこら」というコンセプトが大変難しい、という声も聞かれました。そもそも、ほこらとは何なのか、を紐解くと、「ほこら」の存在そのものが、文化的によくわからないものであり、特に若い世代には酷く曖昧なものに感じたようです。
ドラクエ123世代である主催には、衝撃の事実でした。

ほこら、といえばやはり「ドラゴンクエスト」から離れることは難しく、参加者の中には、それを意識した作品もありました。
どの曲も、「ほこらの曲だ」と納得のいく出来であり、ファミコン音からオーケストラ音まで、表現の方法は様々でもどれもが「ほこら」。

Strings頂上決戦、という側面もあった今回の企画。
オーケストラ音源を代表するであろう音源が顔を揃えました。中には大変高価な音源もありました。

しかし、優勝したのはsironeさん。
sironeさんが使っている音源は「HALion Sonic SE」という音源。これは、DAW「Cubase AI8」に付属してついてくる、言わば…、初心者向けの無償音源です。

会場にいる人の挙手によって行われた投票で、見事に1位。
この結果に、戸惑ったのは事実です。

主催の私としては、望んだ結果が本当に出た、という思いもあります。
常日頃、周囲に言っている「音源が音楽の優劣を決定するわけではない」という言葉が現実になった瞬間でした。

当然のことながら、高級な音源を使った私をはじめとする数人が、「音楽的に劣っていた」というわけではありません。それは、CDを聞いた方ならお分かりかと思います。
ただ今回、「ほこら」というイメージで作られた楽曲で、そのイメージと直結するサウンドが、ゲームサウンド、スーパーファミコン的、という観点が強かったのです。

生演奏の再現をコンセプトに作られている高級音源とは異なり、初心者向けに使いやすい事をコンセプトに作られている「HALion Sonic SE」は、サウンド自体が高度に計算されて、デザインされた音であり、そのサウンドが「ゲーム音楽としてのほこらの曲」とマッチした。その結果、その音源を使った楽曲が「もっともほこららしかった」と判断されたのです。

最も生演奏に近い楽曲を提供してくれた、みなも氏、の楽曲には一票も入らなかった、というのは、長年DTMをやっている私にとっては驚愕です。
あれほどの表現を打ち込みで再現するのに、どれほどの労力と技術が使われているか、考えただけでも目が回る想いです。
しかし、そういう観点から、まったく外れた場所で、聞く人とは判断するんだな、と改めて音楽の難しさを痛感したのです。

DTMerが集う座談会として、大変興味深い結果を生みました。

DTMerは、音源をはじめとする機材や使用ソフトなどに対しての興味ばかりが先行しがちです。そんな我々に、「考える機会」をくれた、有意義なイベントでした。

楽曲参加者の皆さん、ありがとうございました。
イベントに参加してくれた皆さんも、ご清聴ありがとうございました。
御菓子を差し入れて下さった皆さんもありがとうございました。
反省するべき点も沢山ありますが、今後もDTMer meetingを続けていきたいと思います。
応援、よろしくお願いします。

主催・趣味工房にんじんわいん 代表 荒芳樹(ARA)